豪邸のこだわり・内装ピックアップ生け垣
プライバシーを守りながら豪邸の景観を高める
みずみずしい緑の葉や色とりどりの花が、美しい景観の一部となって見る人の目を楽しませてくれる生け垣。地域の緑化や景観保全の観点から設置を推奨している自治体もあるほど。ブロック塀やフェンスなどにはない生け垣ならではの魅力を紹介します。
生け垣の役割とは
生け垣は植物を横一列に並べて植え、壁のように仕立てる垣根のことです。主に所有地の境界を明確にするために設置されるほか、道路から住居内が見えないようにする目隠しとしての役割も担っています。そのほかにも敷地と道路、庭と駐車場、庭の中の区切りとして設置されるのが一般的です。
ブロック塀やフェンスに比べて圧迫感がなく、外とのつながりをゆるやかに保てるのが魅力。また、境界や目隠しとしての役割のほかに、美しい景観の一部としての役目も果たしてくれます。
生け垣のメリット
1.
外からの目隠しができる
植物で隣地や道路との境界をつくる生け垣は、コンクリートやレンガなどに比べて景観に溶け込みやすく、閉塞感や圧迫感を与えずに自然と目隠しできます。目隠しとしての効果はコンクリートやレンガなどのほうが優れていますが、人工的な無機質さから冷たい印象になりがち。植物の爽やかな緑で境界をつくる生け垣なら優しい印象を与え、適度な風通しも保ってくれます。
生け垣で目隠しをするなら、高さは1~2m程度がちょうどよいボリューム感でおすすめです。
2.
防風・防音の効果を期待できる
周囲に他の建物がない開けた場所に家を建てる場合、垣根がないと雨や強風をまともに受けてしまいます。生け垣を設置することで雨風の衝撃を軽減してくれ、さらに生い茂った葉が外からの音を和らげてくれる防音の効果もあり。防風を重視するなら、高さ3~4mの高垣にするのをおすすめします。
3.
見た目が美しい
生け垣は基本的に1年を通してみずみずしい緑の枝葉を保つ常緑樹を植栽します。美しい街並みを形成する一助にもなることから、高級住宅地のなかには生け垣の設置を推進しているところも。植栽する植物によっては四季折々の景色を楽しめ、家族はもちろん、訪れる来客の目も楽しませてくれます。
生け垣のデメリット
生け垣のデメリットは、水やりや枝の切り落とし、枯れ葉の掃除といった手入れが必要になることです。また、人間にも悪影響を及ぼす害虫が発生する可能性もあります。生け垣を検討するのであれば、コンクリートやレンガの塀に比べて手入れの手間がかかることは留意しておくべきでしょう。
生け垣の手入れ
生け垣の手入れは「定期的な刈り込み・剪定」「植物の病気や害虫の予防・駆除」の2つ。刈り込みは外側から生け垣の見た目を整えていき、剪定は不要な枝を切り落として植物の成長をコントロールするのが目的です。植栽する植物にもよりますが、年に1~3回ほど行います。業者に依頼せず自分で刈り込み・剪定を行う場合は、生け垣は低めに設計するようにしましょう。
病気・害虫を予防するには、薬剤を散布する必要があります。刈り込み・剪定でも、病気の原因となるカビの発生をある程度抑えることが可能です。生け垣を敷地の境界ギリギリに設置すると、隣地に枝が伸びているのに他人の敷地なので刈り込み・剪定ができない、ということになりかねないので注意しましょう。
生け垣に適した植物の条件
1.
密集していても育つ
生け垣は列植することが多く、樹木同士の間隔がどうしても狭くなりがちです。そのため、狭い空間で密集していても育ちの良い樹木が生け垣には適しています。もしくは背の高い樹木の間に背の低い樹木を配置するという方法もあり。混ぜ垣と呼ばれ、複数の樹木を組み合わせるので選べる樹種の幅が広がります。
2.
遮蔽性が高い
目隠しとしての役割を持つ生け垣は、遮蔽性の高さが重要になります。小さい葉が密に生い茂っており、枝が細かく分岐しているものを選ぶと良いでしょう。日本では樹木を使って生け垣をつくる文化が根付いているため、生け垣として昔から選ばれてきた樹種を選ぶのもおすすめです。
3.
少しずつ成長する
成長の早い樹種を選んだ場合、年に何度も刈り込みを行わなければならず、管理の手間がかかります。かと言って刈り込みをせずに放置すると、「管理がゆるい=防犯意識が低い」と見られ、空き巣などに狙われやすくなるので注意が必要です。メンテナンスのしやすさで選ぶなら、成長がゆるやかで刈り込みにも耐える樹種が適しています。
4.
病虫害に強い
生け垣は樹木を密集して植えるため、風通しの悪い環境だと病気が発生しやすい樹種は適していません。また、害虫がつきやすい樹種も、葉が食害されて景観を損ねるので生け垣としては不向きです。害虫のなかでもチャドクガは人間にも毒害を及ぼし、アレルギーや皮膚炎を引き起こす可能性があるので注意しましょう。
樹種によって付きやすい虫や感染しやすい病気が違うので、害虫や病気による全損を回避するなら複数の樹種を混植するというのも1つの手です。
生け垣におすすめの樹種
1.
イヌマキ
マキ科マキ属の常緑高木で、枝がよく伸び、細長い葉を密につける遮蔽性の高い樹種です。古くから自生しているので日本の気候ともよく合い、メンテナンスの手間もそれほどかかりません。最終樹高は20mにもなりますが、剪定でコントロールできます。
2.
レッドロビン
萌芽力が強く、剪定すれば1年を通して真っ赤な新芽を楽しめる樹種です。病気に強い一方で成長が早いため、定期的な刈り込みが必要。葉が大きく、枝葉の密度がそれほど高くないため、面をそろえて刈り込むような生け垣には適していません。
3.
キンモクセイ
9月下旬~10月中旬頃に芳香を放つオレンジ色の小花を咲かせ、秋の訪れを知らせる花木として人気のある樹種です。湿り気のある環境を好むため、ひどく乾燥が続く夏場の時期は樹勢を見ながら水やりを行います。生育が比較的早いので、年に一度は刈り込みが必要です。芳香を楽しむなら、花芽が分化する8月頃~開花までは剪定を控えましょう。
4.
サザンカ
日本を原産地とし、古くから庭木として愛されている樹種です。日本の環境に合うので、メンテナンスの手間がほとんどかかりません。赤やピンク、白などの美しい花を咲かせますが、病害虫が発生しやすいという短所も。薬剤を散布し、病害虫を予防・駆除する必要があります。
5.
カクレミノ
昔から日本に自生している植物のため、丈夫で放任しても問題ありません。7~8月頃に緑色の小花を咲かせ、10~11月頃に黒く熟す実をつけます。成長が早く、新芽をよく出すため、込んでいる場所は間引き剪定をして風通しを良くする必要があります。
6.
イチイ
日本に古くから自生している植物で、管理の手間がかからない樹種の1つ。ただし、カイガラムシが発生することがあるため、見つけたらすぐに歯ブラシでこすり落とし、初期防除に努めることが大切です。自然樹高は10mですが、剪定で低めに仕立てることで生け垣として利用できます。
7.
トキワマンサク
「手がかからない」「入手しやすい」「見栄えが良い」と三拍子揃った樹種。樹木全体を覆うように花を咲かせ、見応えのある華やかさも魅力です。寒さや日陰にも比較的強いので、生け垣に適しています。成長が早いため、剪定する機会が比較的多くなるかもしれないのが欠点。寒冷地では生育が難しいとされています。
8.
コニファー
洋風の生け垣向きの針葉樹です。コニファーは総称で、品種は500種以上もあり。そのなかでも生け垣としておすすめなのは「ゴールドライダー」「エメラルド」「グリーンコーン」「ブルーアイス」です。寒さ・日陰に強く、落葉も少ないので育てやすいのが特徴。また、葉が密集して生えているため、目隠しとしても十分な役割を果たしてくれるでしょう。
9.
アラカシ
関西や京都でよく見られ、和風建築との相性が良い樹種。枝葉の密度が荒く、遮蔽性は高くありません。病気や害虫に強いものの、温暖な環境だと葉が白くなる「うどん粉病」という病気にかかることも。また、大木に育って低い位置の枝がなくなりやすいので、上に伸びすぎないように年に1回は頭頂部の刈り込みを行うのが良いでしょう。
10.
オウゴンマサキ
黄色の若葉をつける樹種で、葉が成熟するにつれて緑色になる色の移り変わりを楽しめます。日陰や寒さに強く、土地も選びません。太い枝から上方向に長く伸びる徒長枝という枝が出やすいのが特徴。徒長枝があると見栄えを損なうため、見つけたら早めに剪定するのがおすすめです。
11.
シルバープリペット
ふちの白い緑色の葉が特徴的な低木です。萌芽力が強く、特別な手入れを行なわなくても可愛らしい白い花をつけます。乾燥にも強いので水やりは特に必要なく、自然の降雨だけでも十分です。ただ、冬場は落葉するので、掃除が必要になります。寒さには強いものの、気温が低くなるほど落ち葉の量が増えるので、寒冷地の生け垣にはあまり向かないでしょう
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アーキテクツ
現代的な先端の感性に伝統の様式美を調和させ、「100年経ってもさらに魅力を深めてゆく」美しい建築作品を生み出し続ける、気鋭の企業。
“森を建てる”をキーワードに、高品質の国産材にこだわり、乾燥技術から加工技術、建築までを協業化した、画期的な産地直送住宅供給システムを確立。建物に命を吹き込む建築を追求し続けている。