建築家 アントニ・ガウディとは
スペインが生んだ天才建築家アントニ・ガウディ。ここではサグラダ・ファミリアやカサ・ミラなど独創的な建築物を多く残している、ガウディの建築の魅力や代表的な作品について紹介します。
アントニ・ガウディとは
アントニ・ガウディはスペインのカルターニャ地方出身の建築家で、19~20世紀にかけてカタルーニャ地方で花開いた芸術様式・モデルニスモの第一人者としても知られています。
ガウディは銅板を加工して鍋や釜を作る銅細工職人の家系に生まれ、父親の工場で鉄板が立体加工されるのを見て育ちました。後にガウディは自身の幼少期を振り返り、「空間を把握するという建築家としての素地となった」と語っています。また、病弱な少年だったガウディは自然観察に没頭する幼少期を過ごしており、この頃の体験もガウディの建築スタイルに大きな影響を与えています。
ガウディは独自性の高い建築物を数多く残しており、そのなかでも未完の傑作と称されるサグラダ・ファミリアはあまりにも有名。スペインにはガウディが手掛けた建築物が数多く存在し、そのなかでも首都バルセロナにある7つの建築作品が「アントニ・ガウディの作品群」として世界遺産に登録されています。
アントニ・ガウディ
建築の魅力とは
アントニ・ガウディの建築には、どのような魅力があるのでしょうか。
自然からインスピレーションを得た優美な曲線
自然観察に没頭していた幼少期の体験から、ガウディは「自然のなかに最高の造形美」があると信じており、自然造形からインスピレーションを得た優美な曲線が多く使用されています。曲線と装飾を多用した建築、そして自然力学に則って生み出された独自の構造力学的合理性がガウディの建築作品の大きな特徴です。
動植物をモチーフとした色鮮やかな装飾
ガウディ建築にみられる特徴として、自然や動植物をモチーフとした独創性の高い造形と色鮮やかな装飾があげられます。バルセロナ郊外の村で自然や生き物と触れ合ってきた幼少期の体験が作品に投影されているのでしょう。動物や昆虫、植物、貝殻などをモチーフに色とりどりのタイルで造形したモザイク装飾は、見る人の目を楽しませてくれます。
細部の装飾へのこだわり
ガウディは妥協を許せない完璧主義者としても知られ、細部の装飾にも徹底的にこだわったとされています。その強いこだわりから依頼主や現場の人間とトラブルを起こすことも多く、途中で辞任・解任されたプロジェクトも少なくなかったとのこと。有名なサグラダ・ファミリアもガウディの強いこだわりがうかがえる建築物の1つです。
亡くなる直前までガウディはサグラダ・ファミリアの建設に携わっていましたが、生前に完成したのは地下聖堂と生誕のファサードのみ。生誕のファサードに施された細かい彫刻は、細部にまで徹底的にこだわるガウディの建築家としての美学を感じさせます。
建築家 アントニ・ガウディの
代表作
世界遺産に登録されたアントニ・ガウディ作品群のうち、代表的な作品をピックアップして紹介します。
サグラダ・ファミリア
ガウディの代表作としてまっさきにあがるのは、やはり首都バルセロナにあるカトリック教会「サグラダ・ファミリア」でしょう。未完の傑作と称されたサグラダ・ファミリアですが、いよいよ2026年に完成が予定されています。ガウディは1883年に31歳という若さでサグラダ・ファミリアの専任建築家となり、73歳で亡くなるまでサグラダ・ファミリアの設計に人生を捧げてきました。未完でありながら、生誕ファサードと地下礼拝堂が世界遺産に登録されています。
グエル公園
バルセロナにあるグエル公園は、ガウディの建築家としての才能を見初め、パトロンとして支援し続けた富豪エウゼビ・グエルとつくりあげた英国風の庭園式住宅地です。サルバドール・ダリから「砂糖をまぶしたタルト菓子のよう」と評され、ガウディならではの色鮮やかな色彩を味わうことができます。
バルセロナの街を一望できることから、アントニ・ガウディ作品群のなかでも特に有名な観光スポットです。公園を訪れた人を出迎えるカラフルなモザイクタイルのオオトカゲも、バルセロナのシンボルとなっています。
カサ・ミラ
バルセロナ中心部のグラシア通りにあるカサ・ミラは、ガウディが手掛けた最後の邸宅建築です。優美な曲線のみを使用しており、地中海やカタルーニャの雪山がモチーフとなっています。バルコニーはすべてデザインが異なるほか、屋上にはデザインの凝った煙突や通気口、オブジェ、手すりなどがあり、見どころの多い作品です。
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