建築家フランク・ロイド・ライトとは

ここでは、有名建築家フランク・ロイド・ライトの実績や建築の魅力、代表作について紹介しています。理想の高級注文住宅を建てるための参考にぜひお役立てください。

フランク・ロイド・ライトとは

フランク・ロイド・ライトは、1867年にアメリカ・ウィスコンシン州で生まれた有名建築家。ル・コルビュジエ、ミース・ファン・デル・ローエとともに「近代建築の三大巨匠」と呼ばれています。


ライトの建築作品は、モダニズム建築運動に大きな影響を与えました。モダニズム建築とは、鉄やガラス、コンクリートなどの工業製品を使って建てられ、ゴシック様式やバロック様式の装飾をなくした合理的な建築物、「新しい建築」をつくろうという動きです。


フランク・ロイド・ライトの建築はまさにモダニズム建築に則っており、近代建築の発展において重要な役割を果たしたとして高く評価されています。

フランク・ロイド・ライト
建築の魅力とは

フランク・ロイド・ライトの建築には、どのような特徴があるのでしょうか。

有機的建築を提唱

フランク・ロイド・ライトは、「地球上の有機物のように、普遍的な自然に学び、生命のリズムを乱さぬように建物を建てるべきだ」という考えを持っていました。その理念に従って、建物が環境と溶け合いながら住む人にもフィットするデザインを求め続けました。


この建築哲学を「有機的建築」と呼び、今でも建築の世界に大きな影響を与えています。

プレーリースタイル

20世紀初頭、フランク・ロイド・ライトが有機的建築の考えに基づいてたどり着いたのが「プレーリースタイル」です。屋根を低く抑えて水平ラインを意識したデザインで、1906年の「ロビー邸」建築時に確立されたと言われています。

当時、設計に取り入れるのが当たり前だった屋根裏や地下室を無くし、建物の高さを抑えました。部屋同士を完全に区切らず、1つの空間としてつながりがあるものにしたのも画期的でした。

新古典主義の建物が多かった当時、このプレーリースタイルは斬新で、今では「ライト建築」と呼ばれるようになっています。

建築家フランク・ロイド・ライトの
代表作

フランク・ロイド・ライトは生涯で1,000件以上の建物を設計し、そのうち500件以上の建築を実現しました。日本でも建築活動を行っており、設計で12件、建築が実現したのは6件。その建築物は今なお存在し続けています。

現在でも使用されている建物や国の重要文化財に指定されている建築物も多く、見学できる建物もあります。海外からも多くの建築ファンが訪れています。

ここでは、日本にあるフランク・ロイド・ライトの代表作をご紹介します。

ヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅)

1918年、兵庫県芦屋市の酒屋、山邑太左衛門の別邸として設計されたのがヨドコウ迎賓館です。フランク・ロイド・ライドは着工前にアメリカに帰国しましたが、当時、彼のもとで建築を学んでいた「遠藤新(えんどうあらた)」と「南信(みなみまこと)」が実際の建築を行いました。

大正時代当時、個人住宅として建てられましたが、今では鉄筋コンクリート建築として初の、国の重要文化財に指定されています。

JR芦屋駅から徒歩で約20分、車で5分ほどの位置にあり、見学に訪れることも可能。

芦屋市街が一望できる高台に建てられた4階建てながら、山の斜面に沿ってスライドさせたようになっており、建物の高さを感じさせないつくりになっています。

自由学園明日館

ヨドコウ迎賓館と同じ、大正時代に建てられたのが、東京都豊島区にある自由学園明日館です。

自由学園の教育理念に深く共感したフランク・ロイド・ライトが、弟子の遠藤新の紹介で設計したと言われています。1997年に国の重要文化財に指定され修復されて、今なお建物は利用されています。

大正当時の姿を残す貴重な建築作品であり、見学も可能。池袋駅から徒歩5分ほどの場所にあり、電車からのアクセスも良好です。

帝国ホテル中央玄関(明治村)

帝国ホテル中央玄関は、愛知県犬山市の「博物館明治村」にある建築物で、登録有形文化財に指定されています。

1923年に完成し、1967年まで利用されていた旧帝国ホテルの中央玄関を、東京からそのまま移築・再建したもので、博物館内で当時の姿が再現されています。

使用する石材から内部のインテリアまで徹底的にこだわって設計されており、華やかなつくりの外観やマヤ調装飾の造形美を見ることができます。

その相当なこだわりから、当時、大幅な予算オーバーを引き起こし、フランク・ロイド・ライトは解任されてしまいましたが、遠藤新に工事が引き継がれて竣工しました。落成式当日が関東大震災に重なりましたが、建物が無傷だったエピソードが有名です。

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