高級住宅地が高台に多い理由
高級住宅地はどうして高台に多いのか?
高台に住むことが一種のステイタスになるほど、「高級住宅街=高台にある」というイメージが根付いています。日本以外の欧米やアジアでも多くの富裕層が高台に住宅を構えていますが、セレブに選ばれる高台の魅力とは何なのでしょうか。その理由を知るために、日本における歴史や高台に住宅を構えるメリットに注目してみました。
富裕層に選ばれるのはどうして?
高台にある高級住宅街の魅力
高級住宅街といえば高台というイメージを持っている方も多いでしょう。日本だけでなく、海外でもロサンゼルスのビバリーヒルズやボストンのビーコンヒルズなどのように、高台や丘は富裕層の住む高級住宅街となっています。高台に高級住宅街が多いのはどうしてなのか、日本での歴史や高台に住宅を構えるメリットなどから紐解いていきます。
日本における
高級注文住宅と高台の歴史
日本における高級注文住宅と高台の歴史は、江戸時代にまでさかのぼります。当時は身分・階級によって住み分けがされており、外様大名をはじめとした身分の高い人は地盤の安定した高台に、身分の低い農民は川沿いの湿っぽい場所に住んでいたとのこと。高台は安全なことに加え、眺望も良かったことから、身分が高くないと見られない景色として優越感もあったのかもしれません。
一般市民が高台に家を建てるようになるのは、明治時代以降。西洋文化が入ってきたことで「日当たりや眺望の良い閑静な住宅地」という価値観が広まり、日本でも富裕層が高台に住宅を構えるようになったそうです。
そのほかにも、日本は古くから自然災害が多く、台風や地震による被害に悩まされてきた歴史があります。都内に古くからあるブランド住宅地のほとんどが地盤の良い高台に発展しているのも、河川による水害のリスクから逃れるための先人の知恵とも言えるでしょう。
高級注文住宅を
高台に建てるメリット
現在でも多くの高級住宅街が高台にあることから、高台に住むことがステイタスにもなっています。けれど、これから何十年も住むことになるので、ステイタス以外の魅力も知りたいもの。ここでは、高台に住宅を構えるメリットをご紹介します。
-
- 眺望が良い
- 高台に建てる最大のメリットは、やはり何といっても眺望の良さ。平地と違って視界をさえぎるものが少ないため、大きな窓やバルコニーを設置すれば家にいながら高台からの眺めを堪能できます。高台にある分譲地は第一種低層住宅専用地に指定されていることが多いので、隣地に高い建物ができる心配もありません。青い海を見晴らしたり、夜景を楽しんだり、と高台ならではの過ごし方ができます。
-
- 風通しが良い
- 眺望のほかに、風通しが良いのも高台ならではのメリットです。都心部の平地だと夏場のヒートアイランド現象が深刻になっており、夜になっても気温が下がらないことで寝苦しい思いをしてしまうことも。高台にある住宅なら風通しが良いので熱がこもりにくく、夏でも涼しく過ごすことができます。周囲に高い建物がない場合は、風を十分に取り込めるように窓の開口部を大きくとった設計にするのも良いでしょう。
-
- 騒音が少ない静かな環境
- 高台には基本的に大きな道路が通っていないため、街中や幹線道路沿いの住宅と比べて車通りが少なく、閑静な環境が整っています。車の往来が激しいエリアだと子どもの交通事故が心配になりますが、交通量の少ない高台なら交通事故のリスクが比較的低いと言えるでしょう。また、車の排気ガスが少ないのに加えて、山に近い高台は緑豊かな住環境のところが多く、空気がきれいなのも魅力。普段の生活のなかで四季の移ろいを感じられ、自然のある環境で子どもをのびのびと育てたい子育て世代に適した環境です。そのほかにも、静かで落ち着いた環境で暮らしたい方にとっても、高台は理想的な環境と言えます。
-
- 地盤が安定している
- 高台の造成地は山を削ってつくられており、ふもとの沿岸地域と比べて地盤が比較的安定しています。砂が堆積してできた沿岸の平地だと地盤が脆弱になっていることが多く、大きな地震が起こると倒壊してしまうことも。そのほかにも、沿岸の平地は津波や豪雨による河川の氾濫の影響も受けやすく、自然災害時の被害が心配です。高台なら絶対に安全というわけではありませんが、ふもとの沿岸地域の平地よりは自然災害にある程度強い住宅と言えるでしょう。
高級注文住宅を
高台に建てるときの注意点
高台にある高級注文住宅はその立地から眺望の良さなどの魅力がありますが、一方で崖崩れや土砂災害に注意が必要です。特に傾斜度が30度以上の急傾斜地で、下端から最高部までの高さが2m以上の崖地だと、自治体が定めている条例で建築行為が制限されています。
条例の内容は自治体によって異なりますが、住宅の重みで斜面が崩れないように擁壁(ようへき)を設けたり、万が一の崖崩れでも被害が出ないように住宅と崖の間に一定の距離を設けたり、といった対策を求められることが多いようです。
また、崖の高低差が5mを超える場所だと、「急傾斜地崩壊危険区域」「土砂災害警戒区域」「土砂災害特別警戒区域」といった特別区域に指定されています。特別区域での開発は、自治体から許可を取らなければいけません。特別区域に指定されている土地は、購入する際に不動産会社から重要事項として説明してもらえます。
特別区域に指定されていない土地だとしても、高台の土地を購入する場合はハザードマップを必ず確認しておきましょう。
〈sponsored by〉
アーキテクツ
現代的な先端の感性に伝統の様式美を調和させ、「100年経ってもさらに魅力を深めてゆく」美しい建築作品を生み出し続ける、気鋭の企業。
“森を建てる”をキーワードに、高品質の国産材にこだわり、乾燥技術から加工技術、建築までを協業化した、画期的な産地直送住宅供給システムを確立。建物に命を吹き込む建築を追求し続けている。