豪邸のこだわり・内装ピックアップ囲炉裏

火の音を閑かに囲む
穏やかなひととき

心地よい火の音に包まれながら炎の灯りを見つめる、冬の風物詩。現代では見られなくなった日本古来の風景も、贅を尽くした邸内では洗練された趣すら醸しだします。家族が集うくつろぎの空間に、風情ある囲炉裏を設けてみるのはいかがでしょうか。
ここでは、囲炉裏の魅力や楽しみ方、囲炉裏を設ける際に注意すべきポイントを解説しています。

くつろぎの空間に佇む
日本古来の趣

囲炉裏とは

室内の床面を正方形や長方形に四角く切って掘り下げて灰を入れ、木炭や薪を燃やして使用する炉のことです。古くから日本の民家にあり、厳しい冬の寒さから暖を取るために使われていたほか、お湯を沸かしたり料理をつくったりと、今でいうコンロのような役割も担っていました。

文明の発達とともに高気密高断熱の住まいが増え、近年ではほとんど見られなくなりましたが、その風情ある趣から、敢えて邸宅に取り入れる例も増えてきています。

囲炉裏のある生活とは

1.

温かな空間になる

囲炉裏があると、じんわりとした炭の火や揺らめく炎の灯りで温かみのある空間になります。パチパチした炭火の音が何とも風情豊かで、そこにいるだけで安らぎを感じられそうです。冬には自然と家族が集まり、火を囲んで暖を取ったり食事をしたりと、コミュニケーションを取る場所としても活躍するでしょう。

2.

料理が美味しくなる

囲炉裏ならではの料理を楽しめるのもまた、贅沢なひとときです。炭を使って料理をするので、遠赤外線効果でより料理が美味しくなります。とくに、囲炉裏料理の代表として知られる魚の串焼きは絶品。表面のたんぱく質が高温で焼き固められるため、外側はパリッと香ばしく、中はふんわりと焼きあがります。鍋を吊るして汁物や鍋物を味わえるのも囲炉裏ならではと言えます。

3.

ゲストへのおもてなし

今や、囲炉裏を囲む空間や生活そのものが珍しい風景です。ゲストが訪れた際の囲炉裏でのおもてなしは、貴重な経験だと大変よろこばれるでしょう。料理をふるまえば、コンロとはちがったその味わいに驚かれ、感動していただけるかもしれません。また、囲炉裏は火をおこさなくてもその存在自体に趣があり、憧れを持つ方も多いものです。季節を問わずおもてなしの雰囲気を生み出してくれます。

囲炉裏の燃料

囲炉裏の燃料に薪を試用すると、火が揺らぐ様子を楽しめます。火力があるため、吊るした鍋を熱するにも最適です。囲炉裏を囲んで鍋料理をしたいといった方に向いています。ただし、炎が大きく煙も出るため、防火対策や排煙のための換気対策が必要です。「すす」も出ますので、天井や壁などの定期的な清掃も欠かせません。

木炭

木炭は薪に比べて煙もにおいもあまり出ず、ある程度の火力を長時間保ちやすい燃料です。薪のような高火力はないため、料理をするとなると時間がかかりますが、バーベキューや焼き肉などでも利用されていて、薪よりもなじみのある方は多いのではないでしょうか。木炭よりも高価ではありますが、備長炭を使えば普通の木炭よりも火持ちが良く、煙も臭いもさらに少なくなります。

囲炉裏を高級注文住宅に設ける際の注意点

1.

排煙対策

家の中で火を使うわけですから、当然煙の対策は必要です。窓を開けて換気する方法もありますが、煙を外に出すために安易に窓を開けてしまうと、風で灰が家の中に飛び散ってしまいます。また、閉鎖された空間で木炭や薪を燃焼させると、一酸化炭素中毒になってしまうリスクもあります。現代の気密性の高い家で囲炉裏を設置するなら、換気扇による強制換気を行いましょう。

2.

換気設備

囲炉裏を使用する空間に換気設備を設置すれば、排煙と換気を同時に行えます。ただし、囲炉裏が活躍するシーズンは昼夜を問わず寒いため、冷たい空気が入らない熱交換型の換気設備だとより良いでしょう。また、一酸化炭素を検知する警報器を設置しておくと中毒事故のリスクを避けられます。また、メーカーによって一酸化炭素の検知機能が付いた空気清浄機付きファンも販売されていますので、あわせて設置するのも良いでしょう。

3.

火事に対するリスク

火を使う囲炉裏では、火の始末や炭火の処理が重要になります。また、室内が乾燥しやすくなるため、防火対策は万全にしておかなくてはなりません。囲炉裏の灰や炭の取扱い方を学ぶ、湿度調整に気を配るなど、火事に対するリスクを常に考慮した上で使用するようにしましょう。

4.

内装制限に注意

建物内部で火災が発生した場合に激しく燃えて人の避難を妨げないように、建築基準法ではさまざまな制限が定められています。囲炉裏のある空間の壁や天井、間柱や下地などは「特定不燃材料」で、仕上げは「難燃材料」で作らなければならないなど、内装に使用する材料にも制限があります。内装へのこだわりが囲炉裏の内装制限にかかっていないか、事前に確認するようにしましょう。

囲炉裏のある家の施工事を見てみる