建築家マイケル・グレイヴスとは

ここでは、米国の有名建築家マイケル・グレイヴスの建築の特徴や魅力を紹介しています。略歴や代表作についても紹介していますので、要望にかなった高級注文住宅を建てるための参考にしていただければ幸いです。

マイケル・グレイヴスとは

マイケル・グレイヴス(1934年-2015年)は、米国インディアナ州インディアナポリス出身の建築家です。
シンシナティ大学からハーバード大学を経て建築家デビューを果たし、自ら立ち上げた建築事務所「マイケル・グレイヴス・アンド・アソシエーツ」を運営したほか、プリンストン大学では建築課の教授も務めました。

数多くの作品を世に送り出したグレイブスですが、とりわけ日本での設計の多さが際立っています。百道浜の集合住宅(1989年 福岡)をはじめ、御堂筋ミナミビル(1990年 大阪)、アルテ横浜(1992年 横浜)、田島ビルディング(1996年 東京)など、日本出身ではないかと思えるほど実に多くの建築作品を日本で発表しているのです。

また建築家だけでなく、家具やインテリアなどのプロダクト、グラフィック・デザイナーとしても知られています。

マイケル・グレイヴス
建築の魅力とは

ここでは、マイケル・グレイブスの建築家としての特徴をご紹介します。

初期はモダニズム建築

のちにポストモダン建築の旗手として活躍することになるグレイブスですが、活動の初期においては、いわゆる「モダニズム建築」を実践していました。

モダニズムのエッセンスは、合理的であり機能的であること。建物の各要素が一定の方向性のもとに収れんされていき、統一的に成立するのです。

どちらかというと多様性を拒んでいたため、この時期に手がけたグレイブスの作品も、単一性や抽象性が色濃く、装飾も最小限に抑えていた印象があります。

ポストモダン様式

1970年代後半以降、グレイブスは「ポストモダン様式」に傾斜していきます。

ポストモダンは単一性や合理性を重んじたモダニズムとは対照的で、伝統的・古典主義的建築を現代のテイストに取り入れて新しいスタイルを探求したり、大胆なファサードやカラフルなデザインを多面的に導入したり、ユーモアやパロディを用いたりするなど、新鮮さと多様性が特徴です。

グレイブスはこのポストモダン様式による建築を数多く手がけ、やがてポストモダンの第一人者としての地位を確立しました。

建築思想の根底にあった遊び心

多様な建築作品を世に送ったグレイブスの活動を支えていたのは、本人の知識や技術だけでなく、人を楽しませたい、喜ばせたいといった「遊び心」があったことは間違いないでしょう。

彼はそれを、建物のデザイン、設計、造形、色彩など各要素の中で表現していたほか、家具や食器などプロダクトデザインにも積極的に取り入れていました。


この点、グレイブスは人に夢や希望を与える優れたエンターテイナーであったともいえるかもしれません。

建築家マイケル・グレイヴスの
代表作

日本での建築設計も多いマイケル・グレイブスの、代表的な3作品をご紹介します。

アルテ横浜

アルテ横浜は、1992年に横浜市に竣工した高さ27階・戸数171戸の超高層住宅です。
グレイブスが外観デザインを手がけたこの作品は、これぞポストモダン様式の真骨頂といったぐあいに、斬新で類例のないスタイルを謳歌しています。

形状の異なる建物を切り替えデザインの要領で上方に積み上げていったような独特のフォルムをはじめ、幾何学模様あり、曲線あり、直線ありの、多様性と変化に富んでおり、見ていて楽しい作品です。


加えて、建物自体のクオリティはもちろん、横浜港に隣接する立地や眺望の良さ、横浜駅にも近い交通利便性の良さなど、諸条件の充実が本物件の価値をよりいっそう高めていることは言うまでもありません。

ハイアットリージェンシー福岡

ハイアットリージェンシー福岡は、1993年にオープンした高級ホテルです。
博多駅に近い立地条件や中比恵公園に隣接するロケーションの良さもさることながら、最注目は建造につかわれたモチーフ。中央の丸塔と左右のビルで構成されるデザイン着想の根底にあるのは、なんとエジプトのスフィンクス。丸塔を頭部に、左右のビルを両腕にそれぞれスフィンクスのパーツを模しています。


単にユニークな造形と評するにとどまらず、極東アジア・日本の一地方で、しかも母国アメリカではなくエジプトの世界遺産をモチーフに採用するあたりは、さすがポストモダンの旗手といわれたグレイヴスの高いセンスを称賛しないわけにはいきません。控えめにいっても、後世まで記憶に残る名作です。

田島ビルディング

ファミール月島グランスイートタワーは2002年、東京都中央区に竣工した高級分譲タワーマンションです。

「月島駅」より徒歩1分の超駅チカな本物件は、グレイヴスが手がけた外観デザインが魅力的。個性的なフォルムに、29階建ての高層建築のほぼ全面にオレンジとブルーの高彩度なカラーコンビネーションが配されています。


建物というよりアートを見ている感じで、住んでみたい気持ちが湧くと同時に、芸術的な感性を刺激される建物です。当地はタワーマンションが林立するエリアですが、その中にあっても、ひときわ強烈な存在感を放っています。

日本の高級住宅地を見てみる