日本の高級住宅地と豪邸百科 山王(東京)
山王に
高級注文住宅・豪邸を建てるなら
知っておきたい基礎知識
山王の特徴は?
閑静な住宅街が広がり、
公共交通機関が整っていて住み良い街
かつては郊外の別荘地として人気を博していた大田区山王。環七通りとジャーマン通り、池上通りの3つの大通りに囲まれた地域ですが、大通りから住宅街へと一歩足を踏み入れると、23区内であることを忘れてしまうほど閑静な雰囲気に包まれています。
山王は高台に位置しており、江戸時代に歌川広重が浮世絵を描いたことでも知られていて、多くの文学者たちに愛された街として有名です。そんな山王は、田園調布と並ぶ高級住宅地として、現在も人気を集めています。
Attraction
街の魅力は?
山王地区は、1876年(明治9年)に大森駅が開業したことで、街の開拓が進められていき、大正時代になると、屋敷が建ち並ぶ高級住宅地へと発展。有名な文豪たちや政治家、実業家などに愛される街へと変貌を遂げました。山王は今も緑豊かな高台にあり、その立地が魅力の一つとなっているようです。
また、山王地区は環七通りとJR京浜東北線・上野東京ライン・東海道本線が交わる狭間に位置します。そのため、交通の利便性が高いことも魅力の一つです。
Facility
周辺施設
山王の最寄駅「大森駅」にはショッピングモール「アトレ」があります。駅周辺にも複数のショッピングモールが存在しており、食料品から日用雑貨、衣類など、日常生活に必要なものが駅周辺だけで揃えられます。さらに、「大森駅」西口から出ると、池上通りには商店街があり、飲食店やさまざまな専門店が並んでいます。
また、内科や小児科、歯科なども商店街通りに存在しており、池上通りの環七通りに近い位置には、大きな病院もあるので、いざというときにも安心です。
Environment
子育て・教育環境
山王地域の北部には「大田区立山王小学校」があります。住んでいる場所によっては「大田区立馬込第二小学校」、「大田区立入新井第二小学校」が校区に指定されるため、校区で住む場所を決める場合は、大田区のホームページで確認しましょう。
山王の住宅街には保育園や幼稚園が点在しており、山王公園や弁天池児童遊園など、子供がのびのびと遊べる公園が複数ある点も魅力です。
Traffic
交通事情
山王エリアの西部には環七通りがあり、平和島インターチェンジへのアクセスもしやすい環境です。環七通からは、第一・第二京浜、環八通りへもアクセスしやすく、車で遠方へ出かける際にも便利です。しかし、古くから続く住宅街にありがちな一方通行や道幅が狭い箇所があり、運転しづらいと感じる方もいるようです。
一方で、電車やバスの利便性はより高く、山王地域はJR沿線上にあり、またバスの本数も多いため、車を利用せずとも多方面へ移動できます。品川や横浜方面、羽田空港へもアクセス良好です。
Public order
治安事情
山王地区の治安は比較的良好で、令和2年の「市区町丁別、罪種及び手口別認知件数」によると、大田区山王の犯罪数は137件(※1)。このうち、自転車盗難や万引き、詐欺などが104件と大部分を占めています。駅前は人通りが多いものの、目立った事件は起こっておらず、安心して暮らせるでしょう。
山王には高齢者や子育て世代が多く住んでいて住民は穏やかな人が多く、他のエリアから引っ越してきたばかりの方でも街の雰囲気に馴染みやすいようです。
Neighborhood
町内会・自治会の特徴
山王エリアは、「大田区山王1・2丁目自治会」と「大田区山王三・四丁目自治会」で分けられており、それぞれの自治会でさまざまな活動が行われています。地域住民が明るく安心して暮らせる街づくりを目標に、防災訓練や夜間パトロールを実施。「はなまつり」や「こどもまつり」「バス旅行」など、楽しいイベントも盛りだくさんです。自治会への参加は必須ではないものの、地域の人たちとのつながりを構築しておくと、いざというときにも安心できるでしょう。
山王に住む方々の声
Voice
最寄駅の大森駅は、乗り換え駅ではないので、穏やかな雰囲気で暮らしやすい街です。子育て世代が多く住んでおり、公園やショッピングモール、スーパーなども多数あります。住宅街は駅から離れていて、治安も良く、より落ち着いた雰囲気です。
(50代/男性)
駅周辺は買い物に便利なお店が集まっています。リーズナブルな価格設定のお店から、高級食材を扱うお店まで幅広くあるので、用途に合わせて選べる点が魅力です。山王は住みやすい街ですが、場所によっては坂が多く、移動が大変なところもあります。
(50代/女性)
自宅は駅から15分程度のところにありますが、帰宅時間が遅くなっても商店街の街灯が明るく、車通りも多いので、怖いと感じたことはありません。夜遅くまで営業しているスーパーや、コンビニが帰り道にあるので、途中で買い物できる点も便利です。
(40代/女性)
山王には飲食店やおしゃれなカフェなどが充実しています。商店街も賑わっていて、毎日買い物に出かけることが楽しみの一つになっています。夜道も明るく、人通りも多いので安心できます。ラッシュ時は電車がかなり混み合うので、バスを利用して快適に通勤しています。バスは、品川、大井町、蒲田行きなどがあって便利です。
(30代/女性)
Pick up
山王の
周辺スポット情報
大森山王日枝神社
大森駅から徒歩5分程度のところにある小さめの神社です。境内には、駅チカのスポットとは思えない、落ち着いた雰囲気が漂っています。もともとは山王社と呼ばれており、大森山王の地名は、この日枝神社が由来となっています。手水舎には綺麗な水が張られていて、気持ち良く参拝できます。
山王厳島神社
約150坪ほどの湧水池「弁天池」の島の上に社殿があることから、「小町弁天」とも呼ばれている神社です。創建の年代や由緒などは不明。水の神様である弁天様が祀られています。池の周りを回って裏手には、「山王花清水公園」があります。池と公園をつなぐ通路を抜けて左へ曲がると、奥に水が湧いているところがあり、小さな祠が建てられています。神社の手前には滑り台やブランコなどが設置された児童遊園もあり、小さい子供の遊び場として重宝されているようです。
山王花清水公園
山王厳島神社の裏手にある公園です。傾斜地を利用して、庭園をイメージして造られた公園で、四季の花が植えられ、草木が生い茂っています。春には梅や桜が咲き、夏にはアジサイ、秋にはイチョウの紅葉が楽しめます。芝生広場には石段や洋風東屋が設置されており、和洋折衷といった雰囲気の公園です。夜間は閉鎖されますので、注意しましょう。
大森テニスクラブ
大森駅から徒歩5分ほど、閑静な住宅街にあるテニスクラブです。1937年(昭和12年)ころまでは、大森射的場があった土地であり、駐車場の傍には「日本帝国小銃射的協会跡」の碑が建てられています。コートは人工芝のコートが3面と、砂入り人工芝のコートが6面並んでいます。毎年、トーナメントや子供テニス教室、新年会など、会員とクラブの合同イベントも多数行われています。
尾崎士郎記念館
「人生劇場」などで知られる、大正から昭和にかけて活躍した小説家「尾崎士郎」の記念館です。尾崎士郎が晩年、昭和29年に建てた居宅の居間と客間、書庫が再現されており、原稿や愛用品などを建物の外から見学できます。客間には、尾崎士郎が実際に使っていた机が展示されています。毎週第1土曜日の14時から15時まで、館内見学を実施。事前申し込みは不要となっており、実施時間に訪れることで、どなたでも見学可能となっています。
山王草堂記念館
日本初の総合雑誌「国民之友」や、「国民新聞」「近世日本国民史」などを刊行した、徳富蘇峰の旧居の一部を保存した記念館です。蔵書や愛用品などのほか、「近世日本国民史」の自筆原稿も展示されています。記念館は蘇峰公園の中にあり、紅葉の時期に限らず、多くの方が散策に訪れる地です。
山王の歴史
文豪や実業家に愛された街
都内屈指の高級住宅地として知られている山王。地名の由来は駅の北側に位置する「大森山王日枝神社」です。浮世絵師・安藤広重が1856年に発刊した「名所江戸百景」の26景には「八景坂鎧掛松(はっけいざか・よろいかけまつ)」という作品が残っており、古くから江戸湾を見渡せる景勝地として有名でした。
住宅地として開発が進むようになったのは明治時代ころからで、1889年の東海道線全線開通をきっかけに、桂太郎や井上馨といった政治家ならびに実業家などが別荘を構えたエリア。また、西郷隆盛の実の弟にあたる西郷従道によって「大森射的場」が開かれるなど、多くの人がこの地を訪れるようにもなりました。
大正時代には高級住宅街として発展を遂げており、室生犀星や川端康成といった文豪たちが移り住んでくるようになりました。豊かな自然に囲まれ高台から美しい景色を眺められる山王は、多くの政治家の激務を癒し、芸術家に刺激を与えたのかもしれません。
多くの客で賑わった
郊外の遊園地「八景園」
山王が高級住宅街へ発展したきっかけのひとつとして、明治期から大正期にかけて大盛況した「八景園」が挙げられます。八景園は、1884年に実業家である久我邦太郎によって建てられた遊園地です。遊園地といっても遊具が設置されていたわけではなく、藁葺の家屋や季節の花木が植えられていた、現在でいうシンプルな公園を思わせるデザインでした。
周辺には海水浴場や鉱泉、8つの美しい景色が見られる「八景坂」などがあり、この一帯は行楽地として多くの人に愛されましたが、1922年に八景園が閉業。それ以降は住宅地として分譲が始まりました。たくさんの人が訪れた施設がなくなってしまうのは寂しいものですが、これがなければ山王は現在のような高級住宅が立ち並ぶエリアにはならなかったと考えられています。
江戸時代から続く「山王祭り」
東京の「神田祭」と京都の「祇園祭」、大阪の「天神祭」は「日本三大祭り」として有名ですが、「江戸三大祭り」を知っている人は少ないでしょう。江戸三大祭りは「山王祭」、「神田祭」、「深川祭」の3つ。そのうちの1つ「山王祭」は、その名の通り山王エリアで行われます。
山王祭りは江戸時代から続いている由緒正しい祭りであり、毎年6月15日の例祭を中心として行われる数多くの祭典の総称です。見どころは「神幸祭」と呼ばれる2年に1度の催物で、皇居や東京駅周辺、銀座などを含む約25kmもの距離を巡行します。江戸時代は将軍様に絢爛豪華な山車行列を披露するために江戸城へ入っていくほど、由緒あるお祭りでした。
あえて言うなら
気になるポイント
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現代的な先端の感性に伝統の様式美を調和させ、「100年経ってもさらに魅力を深めてゆく」美しい建築作品を生み出し続ける、気鋭の企業。
“森を建てる”をキーワードに、高品質の国産材にこだわり、乾燥技術から加工技術、建築までを協業化した、画期的な産地直送住宅供給システムを確立。建物に命を吹き込む建築を追求し続けている。
山王エリアは、治安が良く、落ち着いた雰囲気の高級住宅地であり、交通機関も整っていて、子育て世代だけでなく、全ての年代の方が暮らしやすい街です。
マイナスポイントはほとんどない印象ですが、あえてあげるとするならば、坂道が多く徒歩での移動に体力を要すること。駅やバス乗り場まで距離があるところに住んでいる場合は、若干不便を感じるかもしれません。また、中には住宅街が静かすぎて、逆に心細さを覚えるという方もいるようです。