東京の名門学区と名門公立小学校

文京区

文京区は、教育環境が優れているエリアとして人気を集めています。東京大学をはじめ、名高い名門大学や付属高校などが多くあり、教育に対する意識も高い地域。

学校や図書館といった教育施設が集まっている「文教地区」として指定されているエリアがあるため、風営法に適用するスナックやホストクラブなどがありません。治安も良く、子育てしやすい地域だと言えるでしょう。小学校入学前に転居するファミリー層も珍しくないようです。

誠之小学校

1875年創立と、長い歴史を誇る小学校です。伝統校でありながら、教育内容は非常に先進的な点が特徴。時代に即した先進的なカリキュラムも実施され、2年生ではプログラミング学習、イングリッシュタイムと呼ばれる英語学習。高学年になると、プロジェクトを使用したプレゼンを行うディベート形式の授業もあります。自然と触れ合う体験学習が重視されている点も魅力で、田植えや稲刈り体験も行われているようです。

千駄木小学校

校舎内に自然観察園、岩石園、科学教育センターなどが設置されている小学校です。英語の授業に注力しており、英語専科の教員を配置。3・4年生35時間、5・6年生70時間の授業を行っています。理数教育は、学力別で少人数のクラス制。生徒一人ひとりに合った指導をしているようです。マラソン大会や臨海学校、音楽会、学芸会といったさまざまなイベントも行っているので、生徒の体力面や感性の教育にも注力している学校と言えるでしょう。

窪町小学校

1926年に開校。100年近い歴史を持つ公立小学校です。落ち着いた場所につくられ、教育環境が整えられている点が魅力です。特に算数については、3年生から少人数制を導入。一人ひとりを細かく指導しています。また、運動能力や芸術感覚といった個々の生徒の強みを育むことにも尽力し、音楽朝会や体育朝会を全国生徒で行っているよう。総合的な力を身に付けられる学校です。

昭和小学校

アジア文化会館留学生との交流、和楽器鑑賞などを実施し、国際文化・日本文化への教育に力を入れている学校です。一方で、1年生から教育にICTを採用するといった、新しい技術を取り入れた教育も定評。もちろん、学力の教育だけではありません。学習発表会や臨海学校を含む、多様なイベントを行っている点も特徴で、生徒の総合的な能力を育てている学校です。

目黒区

中学受験率の高い目黒区。

小中学校のほか、筑波大学附属駒場中学校や東京学芸大学付属校高校、都立国際高等学校など、ハイレベルな国公立高校が集まっており、教育の質の高さには定評があるエリアです。 住宅街、商業施設、自然がバランス良く配置されて住環境もよいため、小学校を決めた後で区外から引っ越してくるファミリー層も少なくありません。

東山小学校

目黒区でも人気の高い小学校。学区には国家公務員の社宅があり、キャリア官僚の子どもも通学しています。難関私立中学の合格者を輩出するほど、充実した教育内容が大きな魅力。帰国子女が多い点も特徴で、国際教育にも注力しているようです。2018年には校舎が新築され、高級マンションのようなスタイリッシュな外観になりました。外観も相まって、さらに人気が高まっています。

大岡山小学校

学区内には皇后雅子さまの実家もあり、「目黒の学習院」と呼ばれている小学校。家庭できちんと教育されている子どもが多く、落ち着いて授業を受けられる教育環境です。文化活動にも力を注いでおり、NHK合唱コンクールでは何度も金賞に輝いています。校舎が少し狭いという声もあるものの中学受験率は高く、生徒の半分は私立中学に進学しているようです。

千代田区

私立・公立ともに名門校が集中し、教育のレベルの高さにも定評がある千代田区。

国会議事堂や皇居、官庁の官舎などがあり、おのずと教育熱心な親が集まっています。交通の利便性もよいため、非常に住みやすい点が魅力のエリア。千代田区の二大名門小学校から麹町中学校→日比谷高校→東京大学へと進学するのが伝統的なエリートコースとされています。

番町小学校

明治4年に開校。特に歴史のある伝統校として知られている小学校です。生徒の9割以上が中学受験をすると言われており、進学先は開成中学校、筑波大学附属駒場中学校など有名中学校が多いよう。学校の教育に加え、学校から通いやすい距離に学習塾が多くあるため、子どもの受験体制を整えやすいという利点があります。学区内に居住実績がないと入学が厳しいと言われているので、入学前には住み替える必要がありそうです。

麹町小学校

皇居のある麹町にあるためおごそかな雰囲気がある小学校ですが、授業内容は非常に先進的。少人数制の算数の授業に加え、パソコン授業にも注力しています。建物の特性を活かした取り組みも実施されており、「オープンスペース」の教室である点が大きな特徴。クラスとクラスの区切りがなく、広いスペースを共有して授業を行っています。有名私立中学や国立大学の附属中学を受験する生徒が多いようです。

港区

古くから高級住宅街として知られており、教育熱心な高所得層が多く集まっているエリアです。「東京3大名門公立小学校」のうち、青南小学校・白金小学校の2校が港区にあります。私立中学にも通いやすいため、小学校入学前に引っ越すファミリー層も多くいるよう。高級感ある洗練された街なので、人気の高いエリアと言えるでしょう。

青南小学校

岡本太郎氏など、世界的なアーティストも輩出している小学校。特に理数教育に注力しており、ロボット工学の著名研究者や日立の企業研究員から最先端技術を学ぶという学習も行っているようです。青南幼稚園・青山中学校と連携することで、幼・小・中と一貫した教育システムが魅力。12年間を繋げた授業で学べます。

白金小学校

周辺に高級住宅街があることから、著名人や経営者の子どもが多く通っている小学校。算数の授業でプログラミングソフトを使用するなど、先進的な技術を導入した授業が特徴です。中学受験率も高く、有名私立中や高校受験に有利な公立中に進学する生徒が多いよう。土地柄、世帯の平均年収は高め。PTA活動もさかんに行われています。

笄(こうがい)小学校

大使館エリアであるため、国際色の強い小学校です。帰国子女や外国籍の子ども向けの日本語学級、外国の言葉や食生活を学ぶ「インターナショナルデー」という特別授業もあり、国際感覚を身につけるのに適した環境と言えるでしょう。プログラミング教育も実施しており、子どものうちから質の良い学びを得られる学校です。

中央区

一部の小学校のみ、「特認校制度」という学校選択制が採用されているエリア。中央区はビジネス・商業街であるため、学校が定員割れを起こす可能性があるからです。制度により、中央区に住んでいても、学区外の学校に通学できるようになります。令和6年度は、城東小学校、泰明小学校、京橋築地小学校、常盤小学校、阪本小学校の5校を指定しています。

※参照元:中央区ホームページ/小学校特認校制度
(https://www.city.chuo.lg.jp/a0049/kosodate/gakkoukyouiku/shouchuugakkou/sentaku/tokuninko2018.html)

久松小学校

記念式典には歴代の天皇皇后両陛下が臨席されるほど、皇族とのつながりの深い伝統校。マナーや礼儀に力を入れている点が特徴と言えるでしょう。また、英語学習にも注力。5、6年生は週2時間、3、4年生は週1時間、ネイティブ教師と担任による授業があります。1、2年生も、週1時間ほど日本人教師による英語の授業があります。校舎裏には久松警察署があるため、治安も良く、安心して子どもを通わせられる学校です。

泰明小学校

「特認校制度」の特例校。生徒の約半分は学区外から通学しており、毎年抽選になるほど人気のある小学校です。土地柄、校庭はそれほど広くはないですが、ツタが絡んだ印象的な外観、美しいフランス門の門扉は銀座の名所となっているほど。1学年2クラス、全校生徒330人ほどの小規模な学校なので、個々に目が届く教育を希望している人におすすめです。

世田谷区

私立中学の受験率が高い名門区立小学校が点在しているエリア。学業に力を入れている公立校が集まっている印象です。そのため、富裕層あるいは両親が高学歴で教育熱心な家庭が多いよう。緑豊かで穏やかな雰囲気の住宅街で、公園や自然も多い世田谷区。子育て世帯に人気がある地域です。

桜町小学校

「世田谷の学習院」と呼ばれる桜町小学校。周辺は静かな高級住宅街なので、治安のよい落ち着いた雰囲気の学校です。半数を超える生徒が中学受験をするため、教育熱心な親も多く、学校側も受験を前提で指導しているよう。夏休みには希望制の補習があるなど、教育に力を入れている学校です。

八幡小学校

明治12年に開校した歴史ある伝統校です。教育方針は非常にオリジナル性が高く、八幡中学校・九品仏小学校とともに「さぎそう学舎」として、小・中9年間の一貫した教育システムを提供。外国籍の子どもや帰国子女も積極的に受け入れているため、国際的な感覚を身に付けられる学校です。子どもの視野の拡大にも繋がりそうです。

松丘小学校

体育教育に力を入れている教育推進校として有名な学校ですが、もちろん学業の指導にも注力しています。生徒の半数以上が中学受験をしているそうで、高学年から塾に行く子どもも多いよう。プラネタリウムのある中央図書館が隣接しており、恵まれた学習環境も特徴的な学校です。

私立ではなく
公立を選ぶ富裕層

私立でなくても、教育に良い環境で子どもを学ばせてあげたいと考えている親が増加している傾向があります。受験をして名門幼稚舎に入れる子どもは一握り。無理に受験をするよりは、小学校は教育環境がすぐれている名門公立を選び、中学受験で私立中を受ける。最終的には、早慶以上の大学に進学する。そういったルートを描いている親が多いという背景があります。

門公立小学校に
通うメリット

いちばんのメリットとして挙げられるのは、やはり授業料です。名門小学校といっても公立なので、家計への負担が小さく済むのは嬉しいポイントです。また、名門公立小学校は、勉強に対する熱意が圧倒的に高いです。子どもは中学受験することが当たり前という考えになるため、スムーズに中学受験体制が整うこともメリットと言えるでしょう。

名門公立小学校に
通うデメリット

デメリットは、親同士の付き合いが疲れることでしょう。教育熱心な親が多いことから、お互いの状況や環境に探りを入れる人もいるようです。いわゆるマウンティングをとる親もいることから、親同士の付き合いに疲弊しているという声がありました。ほか、有名公立小学校は家庭環境や経済状況が似ている子どもが集まるため、さまざまな価値観に触れられないというデメリットも生じるようです。

東京23区の
学区事情

学校選択制とは

学校選択制とは、住んでいる市区町村内で通学したい公立小学校・中学校の希望を申告できる制度です。通常は、就学すべき小中学校があらかじめ指定されているため、通学者は自由に学校を選べません。しかし、学区以外の学校への就学を希望できる学校選択制を導入している自治体もあります。学校選択制は、「自由選択制」「ブロック選択制」「特認校制」など、いくつかのパターンにわけられています。

学校選択制は廃止傾向にある?

近年、小学校に限り、学校選択制が廃止されつつあるようです。その理由として、地域の連携がとりづらく登下校時の安全性の確保が難しいこと、公立にも関わらず教育格差が生じてしまうことが挙げられます。その課題を解消するため、学校選択制が見直されるようになっています。

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