高級注文住宅で大理石を使うなら?
知っておかないと損な性質について
ここでは、大理石の性質と種類、天然石との違いについて紹介しています。大理石と他の天然石との違いを理解したうえで、用途に合った石材を採用するようにしてくださいね。
大理石の性質
と種類
大理石の注文住宅を建てる際は、大理石の性質や種類をよく理解したうえで建築しましょう。大理石はハイセンスな建材として人気を集めていますが、どこに使用して良いか分からないという方は少なくありません。どのような性質があり、どこに使用するのが適しているのか理解を深めてから、建材として取り入れてみてくださいね。
大理石はヨーロッパを中心に産出されていますが、ベトナムやミャンマー産も増えています。産地によっては、従来よりも安い価格で採用できる場合があります。種類は300を超えており、天然大理石を粉砕して石材チップと混ぜた人造大理石も人気です。人工大理石は、天然大理石を使用したものではなく、あくまでも似た質感を追及した樹脂の人口素材でできています。
主要産地:トルコ・イタリア・エジプト・イラン・スペイン・ギリシャ・ポルトガルなど
大理石の性質や
特性について
一般的に石材といえば、大理石や御影石を思い浮かべる方が多いかもしれません。実は、大理石は、石材の中でも変成岩に分類されます。火成岩や堆積岩などが地殻変動により、熱や圧力を受けて再結晶化したものです。時間をかけて熱や圧力が加わりできた石材のため、特有の縞模様が浮かびあがります。
大理石は柔らかい性質があるため加工がしやすく、建材として利用されるケースが多くなっています。磨くと独特の光沢が出るうえに、色や種類が豊富なので、インテリアとしても人気です。ただし、主成分が炭酸カルシウムのため、酸に弱いという特性も。屋外での使用は向いていない建材だといえるでしょう。
大理石
- 時間をかけて熱や圧力が加わりできた石
- 柔らかくて加工がしやすい
- 酸に弱くて屋外には向かない
大理石はほかの天然石と
どう違う?
石材には、変成岩のほか、火成岩・堆積岩があります。火成岩として分類される石材としては、花岡岩や安山岩などがあり、マグマが固まってできた石材なので耐久性が高くなっています。耐水性や耐摩耗性も高く、外装に使用することも可能です。
対して、堆積岩として分類される石灰岩・砂岩・凝灰岩などは、堆積によって形成された石材です。石灰岩は炭酸カルシウムから生成された石材のため、柔らかくて加工しやすいというメリットも。ただし、柔らかい分強度が低く、外装への使用は適していません。
砂岩は、水中に石英や長石が堆積してできた石材で、耐火性があります。吸水率が高いので、外装への使用は向いていないでしょう。また、水分を含んでおり、凍害のリスクも。凝灰岩は、火山岩や砂などが堆積してできた石材で、柔らかく加工しやすいメリットがあります。耐火性が高くて、経年による色の変化を楽しめます。
変成岩…大理石など。加工しやすいが屋外使用には向かない
火成岩…花岡岩や安山岩など。耐水性や強度が高く屋外使用もできる
堆積岩…石灰岩・砂岩・凝灰岩など。加工しやすいが屋外使用には向かない
比較的よく耳にする
御影石について
御影石とは、上記で紹介した火成岩に分類される花岡岩のことです。マグマがゆっくりと冷えてできた石材なので、高い硬度を誇っています。大理石との違いは、外装に使用されるケースが多いということ。耐水性や耐摩耗性が高いので、キッチンに使用されるケースもあります。内装・外装と場所を問わずに使用できます。色は黒やグレーのほか、白・緑・赤・ピンクなどカラフルなものも。大理石と同様に人気があります。
価格は大理石よりも安いケースが多くなっています。ただし、近年はミャンマーやベトナム産の大理石も増えているため、価格差が少なくなっている傾向も。屋外使用であれば、御影石を採用するのが無難だといえるでしょう。御影石は大理石よりも硬く、ケガのリスクがあることから、小さなお子さんがいる家庭では採用する箇所を考える必要があります。
御影石
- 火成岩の花岡岩
- 強度があり耐水性もある
- 水分がある場所にも使用できる
家に大理石を使用する
メリット
大理石を家に使用するメリットは、高級感を演出しやすい点が挙げられます。大理石は磨くと独特の輝きを放つため、格式高い内装に仕上げたい場合に用いられます。色は黒や白以外に、ピンクやベージュや緑といった明るいカラーも。インテリアに調和させやすく、一部に用いるだけでも非日常感を醸し出せるので、人気を集めています。
また、大理石を使用すると、掃除がしやすくなるという利点があります。磨かれた大理石の表面はツルツルしており、汚れをサッとふき取るだけで簡単に清掃できます。基本的に大理石の掃除は、乾いた布で軽くふき取るだけです。表面を磨かなければ、耐水性を高めることができるため、水回りで使用したい場合は、光沢感がない状態で使用するのも一つの手でしょう。
万が一、大理石に傷や汚れが付いた場合でも、ほとんどは石独特の模様に紛れてしまいます。大理石を使うと、傷が汚れが目立ちにくいという利点があります。
大理石のメリット
- 高級感を演出できる
- 掃除がしやすくなる
- 表面を磨かずにナチュラルに使う方法もある
家に大理石を使用する
デメリット
大理石を家に使用するデメリットは、耐水性が低い点にあります。水に弱いので、水を使っての掃除には向いていません。また、酸性に弱く、酸性洗剤を使用して掃除できないため注意が必要です。万が一、水や酸性の液体がかかったまま放置すると、変色するリスクがあり、デザイン性を損ねる可能性が出てくるでしょう。
とはいえ、大理石は磨かない状態であれば、極端に水に弱くなることはなくなります。ただし、もともと吸水性が高い石材なので、外壁に使用するのには向いていません。冬の凍結で膨張して亀裂が入り、落下するリスクが高まるためです。磨かない状態なら、外であっても床材や階段部分への使用は可能になります。
大理石は磨くと光沢感が出ますが、経年劣化によりツヤが失われていきます。定期的なメンテナンスが必要で、扱いが難しいので、業者に依頼する手間やコストがかかります。経年変化を楽しみたい場合は、磨かずにナチュラルな状態で使用するという手も。どのようなインテリアを採用するかによって、大理石を磨くか否かを使い分ける必要があるでしょう。
大理石のデメリット
- 吸水性が高く外装に使用できない
- 磨かなくても外壁使用には向かない
- 経年劣化でツヤが失われる
- 定期メンテナンスが必要でお金がかかる
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アーキテクツ
現代的な先端の感性に伝統の様式美を調和させ、「100年経ってもさらに魅力を深めてゆく」美しい建築作品を生み出し続ける、気鋭の企業。
“森を建てる”をキーワードに、高品質の国産材にこだわり、乾燥技術から加工技術、建築までを協業化した、画期的な産地直送住宅供給システムを確立。建物に命を吹き込む建築を追求し続けている。