条件の異なる2つの土地で迷っています。
今年新築を考えています。ところが建築する土地の事で主人と意見が一致しません。というのは、迷っている敷地が2つあって、一つは土地は42坪と狭いのですが、主人は通勤や街に出やすいし、3階建てが出来る中央区の土地がいいといいます。
私は少し不便ですが、土地が広い西区の土地がいいと思っています。土地だけの話ではいつまでも平行線なので、実際に図面を書いてみるとどの様に住めるか分かり、どちらの土地が良いのか判断がつくと思うのですが、そんなことを頼んで良いでしょうか。
ちなみに我が家は、子供2人(中学生)と主人の4人家族。生活を楽しめる住宅が欲しいと思っています。車庫は1台分必要です。客間は和室が6畳ぐらい欲しいです。予算は3,000万円位を考えています。
(札幌市・Yさん)
まず2つのプランを作成してみましょう
ハウスドクター
石出和博
Yさんからいただいた土地の図面を見て、早速プランを作ってみました。一つは近隣商業地域で敷地面積が42.12坪、建ぺい率60%、容積率200%です。もう一つは第一種低層住居専用地域で敷地の面積が81.44坪で建ぺい率が40%、容積率60%です。同じ条件の住まいを全く異なった敷地にプランする、これはよくあることですのでやってみましょう。
ハウスドクター石出和博
AプランとBプランの内容
Aプランは当然3階建てになります。一階に車庫とカーポートをとって、主玄関の隣にサブ玄関を取ってみました。2階に居間があって、客間の和室、ダイニングキッチン、バルコニーがあります。3階に子供室2つ、寝室、ウォークインクローゼット、浴室が寝室に近いプランです。一階に水廻りや客間をもっていくプランもあるでしょうが、1階を多目的に使えるように考えてみました。
BプランはAプランと同じ部屋の大きさで図面が出来ています。1階は車庫とカーポートがあり、居間と食堂の間にテラスを取りました。中庭として使えますが、ここでバーベキューをしたりテラスバーにしてはいかがでしょうか。1階に寝室があります。敷地に余裕のあるときは、主寝室は1階にあった方が住みやすいと思いますが、2階に子供室と客間があり、それぞれテラスに面しています。
どちらに住みたいかイメージしてみましょう
AプランもBプランも、最上階にホールを大きめに取りそこに書斎コーナーを取れるようにしてあります。Aプランは1階にプレイルームがある為、全体の床面積が大きくなっています。もし予算オーバーならプレイルームを未造作にしておいて、資金ができてから工事をしてはいかがでしょうか。
その他はほぼ同じ大きさの部屋の比較ですが、周りの環境や学校、通勤の問題を良く考えて、結論を出して見て下さい。参考まで。
編集チームのまとめ
図面に起こすことで生活のイメージがしやすくなります
石出会長の意見を経て、3階建てと2階建て、敷地面積の広さといった違いはありますが、どちらのプランも同じ部屋の大きさで成り立っているというのが驚き!
実際に図面に起こして見てみると生活のイメージが具体的にしやすくなり、プランの検討も容易になりますね。全く異なる敷地に同じ条件の住まいをプランニングするというのは、よくあることとの事。どちらがいいか迷っている方におすすめの方法です。
建築家
HOPグループ代表 CEO 石出和博
~Kazuhiro Ishide~
北海道芦別市生まれ、北海道産業短期大学建築学部卒、中堅青年海外派遣事業で渡米した米国の建築に刺激を受け、日本の伝統建築を学ぼうと帰国。1973年藤田工務店入社、宮大工の技術を学ぶ。1989年1級建築士事務所アトリエアム(株)を設立し、伝統住宅、茶室など多数の作品を発表。1996年林野庁の支援を受け国産木材を活用した産地直送の住宅供給システム、HOPハウジングオペレーションアーキテクツ(株)を設立、現在に至る。受賞歴、著書多数。
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アーキテクツ
現代的な先端の感性に伝統の様式美を調和させ、「100年経ってもさらに魅力を深めてゆく」美しい建築作品を生み出し続ける、気鋭の企業。
“森を建てる”をキーワードに、高品質の国産材にこだわり、乾燥技術から加工技術、建築までを協業化した、画期的な産地直送住宅供給システムを確立。建物に命を吹き込む建築を追求し続けている。