高級住宅地に住む前に知っておきたい基本知識

建築家と邸宅を創る道すじ

理想の高級注文住宅は
建築家と共に実現する

高級注文住宅には、自分の持つこだわりや希望を十分に反映させたいもの。そのためには、理想を形にしてくれる、相性の良い建築家をパートナーとすることが非常に重要になってきます。

注文住宅を建てる流れ

注文住宅を建てる流れ

自分の住む家を手に入れようとした場合、建売販売されている住宅を選択するか、一から創りあげていく注文住宅を選択するかの二つの方法が挙げられます。高級住宅を望まれる場合、注文住宅を選択されることがほとんどで、その場合は以下のような建築スケジュールで進んでいきます。

  1. 建築予算の決定
  2. 土地選び
  3. 建築を依頼する会社探し
  4. 設計に関する打ち合わせ→設計プランの提出
  5. 仮契約
  6. 建築予定地の地盤調査
  7. 設計・建築プランの詳細打ち合わせ→見積り額を提出
  8. 本契約
  9. 住宅ローンの申し込みや建築確認申請などの事務手続き
  10. 着工
  11. 完成
  12. 引き渡し

この流れの中で、理想の高級住宅を得るためにとくに重要となるのが、4や7の建築家との打ち合わせです。特に4の段階では、まだその建築家にお願いするかどうか決定していない時点ですので、自分の希望をしっかりと聞いてくれるか、その希望に対する建築家の発想や提案に共感できるか、「相性の良さ」を確認することがとても重要です。完成したあとで後悔しないためにも、しっかりと自分の希望やこだわりを建築家に理解してもらえるよう、打ち合わせ前に、叶えたいことやこだわりたいポイントをまとめておきましょう。

ハウスメーカーと
建築事務所の
違い

高級注文住宅の建築依頼先としては、ハウスメーカーか建築設計事務所にお願いする、というのが一般的です。
ハウスメーカーのメリットは、会社の規模が大きいため、長期保証やアフターサービスの手厚さなど、安心感があるところでしょう。ただ、デメリットとしては、設計の自由度が低いということ。近年はある程度施主の希望に沿った設計を叶えることが出来るハウスメーカーも増えてはいますが、多くの場合は、壁や屋根や窓など、すべての仕様に一定の規格が設けられています。そのため、規格外の要望や設計には対応できないケースもあるでしょう。
逆に、建築家にお願いする最大のメリットは、全てにおいて「自由度が高い」という点です。建物の工法も自由で選択肢が広く、狭小地や傾斜地にも希望のデザインで対応ができます。邸宅のデザイン性が高く、こだわりや希望を十分に反映させやすい分、設計期間と工期は長くなりがち、というデメリットも存在します。

後悔しない建築家の
探し方

高級注文住宅を建てるなら、オーナーの希望やこだわりを最大限に反映し、隅々まで理想の家を目指したいところ。当然見た目だけでなく、邸宅の住み心地の良さは重要なポイントです。オーナー一人ひとり違うこだわりや理想にじっくりと耳を傾け、趣味や好みを把握し、条件に合う精度の高い提案をしてくれる建築家の存在が、理想の家に仕上げられるかの明暗を分けると言っても過言ではありません。つまり、理想の高級住宅を手に入れるためには、自分と感覚の合う相性の良い建築家とパートナーを組むことが大切です。ではそんな建築家には、どうしたら出会えるのでしょうか。
建築家探しの第一歩としては、まずオーナーである自分自身が、これから作り上げていく邸宅に求めるものを明確にすること。どんな外観の家で、誰とどんな暮らしがしたいか、なるべく具体的にイメージを膨らませます。次に、雑誌やホームページなどから、住みたいデザインの家、ぐっとくる家を、探していきます。そして次に、その家を建てた建築家や建築事務所に連絡をして、実際に顔合わせをしてみるのです。自分が思い描く雰囲気の家を実際に手掛けた会社を選択していけば、相性の良い建築家に出会える確率はアップするはず。そこからさらに打ち合わせをして絞り込んでいくことで、後悔のない高級注文住宅を一緒に創っていけるパートナー、最高の建築家を探し出せるでしょう。

建築士に任せたほうが良いポイントと、
施主が決めたほうが良いポイント

高級注文住宅は、建築家とオーナーとが一緒に創り上げていくもの。そのため、どちらかがすべてを決めるのではなく、お互いにしっかりと意見を交わしあうことが重要です。ここでやはり一番のポイントとなるのが、どんな家に住みたいのかというオーナーのはっきりとした意思表示です。もちろん、建築に関するデザインや工法など、技術面に関することは、専門家である建築家に任せたほうが上手くいくでしょう。しかし、その建築家の実力をいかんなく発揮できるかは、オーナーが明確なこだわりを提示できるかどうかによって大きく変わってきます。
オーナーは、建築家がデザインや設計のアイデアを出しやすいように、建築予定の土地の情報や、どういった家に住みたいかという自らのこだわり・要望・理想は、しっかりと伝えていきましょう。お互いが納得・共感できるまで話し合うことが肝心です。

建築用語メモ

一級建築士

一級建築士は、3つある建築資格(一級建築士/二級建築士/木造建築士)の中で最難関の国家資格です。取得すれば、一般住宅からスタジアムなどの大型施設まで、あらゆる建造物を設計することが可能になります。

設計事務所

設計事務所とは、 建築家が所属する法人。設計事務所で設計を行っているのは、一級建築士であることが多く、建築法規が複雑になってきたことにより、設計事務所のニーズも高まっています。

建築学会

建築学会とは、建築に関する学術、技術、芸術の進歩や発展を図ることを目的とする公益法人です。建築学会には、約3万人以上の会員が在籍しており、設計事務所に所属しながら、建築に関する専門的な調査研究活動を行っています。

監理

施工者や現場監督が行う監督業務のことは「管理」というのに対して、設計者が設計通りに施工されているか監督する業務を、「監理」と呼びます。現在、一定規模以上の建築物には、この監理が義務付けられています。