豪邸のこだわり・内装ピックアップ階段

階段へのこだわりが
豊かな暮らしを叶えるカギとなる

高級注文住宅を建てる際、間取りやデザインなどこだわりたいところが多く、階段が後回しになってしまうことは少なくありません。けれど、階段は住まいの印象や使い勝手を左右する重要な内装で、単なる上下階をつなぐためのものだと考えていると後悔してしまうことも。理想の住まいや暮らしを叶えるなら、階段づくりに必要な基礎知識や注意点を押さえておきましょう。

高級注文住宅の内装・室内・パーツを
決定する前に知っておきたい

失敗・後悔しない「階段」を作るための基礎知識

階段とひとくちに言っても、どのスタイルにするか、素材には何を使うか、どこに設置するかなどで住まいの印象や使い勝手が変わってきます。おしゃれな空間を演出するインテリアとしての役割を期待している方はもちろん、家族が安心して使える階段にしたい方も、満足いく階段を作るために知っておきたい基礎知識を押さえておくことが大切です。

階段のスタイルの種類

1.

直階段

直階段とは踊り場がなく、下階と上階を一直線でつなぐ日本家屋に多いスタイルの階段です。シンプルな階段なので建築費用を抑えられ、階段下に収納スペースを設けることも可能。ただし、勾配が急な直階段にしてしまうと、落下した際に一気に下の階まで転げ落ちる危険性があります。緩やかな勾配の直階段にするためには、余裕のある床面積が必要です。

2.

カーブ階段

サーキュラー階段とも呼ばれ、輸入住宅や洋風住宅で良く見られるスタイルの階段です。緩やかなカーブを描いているのが特徴で、優美な空間を演出することが可能。また、吹き抜けの玄関ホールと組み合わせたり階段部分にシャンデリアを吊るしたりなど、自由度の高いデザインを楽しめるのも魅力です。ただし、カーブ階段を設置するには大きなスペースが必要で、コストも割高になります。

3.

螺旋階段

デザイン性が高く、おしゃれな空間を演出できる階段として人気のある螺旋階段。省スペースでの設置が可能で、インテリアとしての役割を持たせることもできます。ステップの形状が三角形で面積が小さくなるため、踏み外しやすい点は注意が必要です。また、階段の幅によっては、家具や家電の搬入・搬出が難しいデメリットもあります。

4.

かね折れ階段

かね折れ階段は、途中の踊り場からL字型に折れ曲がるスタイルのこと。踊り場があるので、直階段と違って一気に落下するリスクを抑えられるメリットがあります。広い面積を必要としますが、デザインによっては階段下を収納スペースとして有効活用することも可能。多くの建材を使うため、建築費が高くついてしまうことがあります。

5.

折り返し階段

かね折れ階段がL字型に折れ曲がるのに対し、折り返し階段は途中の踊り場からUの字型やコの字型に折り返すのが特徴。踊り場を広く取れば、フリースペースとして使うこともできます。踊り場があることで一気に落下するリスクが少なく、勾配も緩やかなため、安全性の高いスタイルの階段と言えるでしょう。ただ、広いスペースが必要で段数も増えるので、コストが高くなるデメリットもあります。

階段のステップの種類

1.

箱階段

日本家屋では最も一般的なステップで、箱を段々に積み重ねたような形状をしています。階段下を収納スペースにしたり、トイレを設置したりなど空間の有効活用が可能。階段の両側が壁になっていて圧迫感はありますが、昇り降りしやすく、安全性が比較的高いのが特徴です。

2.

オープン階段(スケルトン階段)

足を乗せる踏板と、その踏板を支える骨組みで構成された階段です。視線が抜けるので圧迫感がなく、開放的な空間を演出できるのが特徴。また、デザイン性の高さから、インテリアとしての役割を持たせることもできます。階段に隙間があるので、小さいお子さんやペットがいるご家庭だと落下リスクがある点は要注意。落下防止として、手すりにパネルやネットを設置するといった安全対策が必要になります。

階段に使用する素材

1.

木材

階段に使用される素材として最もおなじみなのが木材です。ナチュラルな雰囲気の住まいとの相性が良く、木材の色や質感によってさまざまな雰囲気を演出できます。また、ほかの素材と比べて安価なため、階段にかけるコストを抑えたい方にも最適です。

2.

金属

スタイリッシュな階段にするなら、スチールやアルミなど金属を使った階段がおすすめ。オープン階段や螺旋階段と組み合わせると、開放感のあるおしゃれな空間を演出することが可能。金属製の階段は空間をキリっと引き締めてくれますが、無機質な印象にしたくない方は踏み板を木材にすることで温かみをプラスできます。

3.

ガラス

ガラス階段は空間に洗練された印象を与えてくれ、宙に浮かんでいるような片持ち階段や螺旋階段との相性が良い階段です。階段上に天窓を設置すれば光を下階まで効果的に取り入れられ、明るく開放的な空間を生み出すことができます。

4.

階段に使われる素材のなかでも、より高級感があるのが石の階段です。木材や金属との相性も良く、さまざまなデザインを楽しむことができます。ただし、石の階段は転倒した際にケガをするリスクが高いので、ステップを大きくしたり、勾配を緩やかにしたりなど安全性への配慮が必要。また、オーダーメイドになるため、高額な費用が発生します。

階段を設置する場所

1.

玄関の近くに設置

玄関の近くに階段を設置する場合、リビングや寝室などそのほかの部屋への干渉を抑えられ、空間を有効活用できるメリットがあります。また、階段下に洗面台を設置すれば、帰宅した子どもに手洗いとうがいを促すことが可能。帰宅してすぐに2階に上がれるのでコミュニケーション重視のご家庭には向きませんが、リビングや2階の部屋に直結していないことで冷暖房効率を良くするメリットがあります。

2.

リビングの壁に沿って設置

リビングの壁に沿って階段を設置する場合、玄関からの距離によって使い勝手が左右されます。玄関から近いリビングの壁に設置すれば上下の移動がしやすく、動線を重視したい方におすすめ。子どもが帰ってきたときに顔を合わせられる間取りにしたいなら、玄関から遠い奥の壁に設置するのが良いでしょう。リビングを横切る必要があるので、コミュニケーションを取りやすくなります。ただ、来客時にもリビングを通り抜けることになるため、来客の視線やプライバシーに配慮した家具の配置が必要です。

3.

リビングの中央に設置

デザイン性の高い階段が増えてきており、インテリアとしての役割も担うようになっていることから、リビングの中央に階段を設置するケースが人気を集めています。リビングの一部が吹き抜けになることで、開放感が生まれるのも魅力。また、家族と顔を合わせる機会が増えるため、家族とのコミュニケーションを図る装置としての役割も期待できます。ただ、リビングの中心部を階段が占めてしまうので、大きな家具の配置が難しくなってしまうことも。大空間のリビングを検討しているご家庭向けの間取りになります。

4.

リビングとダイニングの間に設置

リビングとダイニングの間にオープン階段を設置すれば、簡単な仕切りとしての役割を持たせられます。来客時にキッチンが目に入りにくくなるため、生活感を見せたくない方にもおすすめです。

Check point

階段を設置する際の注意点

ライフスタイルや生活動線に合った場所に設置する

インテリアとしての一面も持つ階段ですが、最も重要なのは上下階をつなぐ装置としての役割です。階段の設置場所によって住まいの使い勝手の良さが変わってくるため、家族のライフスタイルや生活動線に合った場所に設置するようにしましょう。たとえばリビングに階段を設置すると家族とコミュニケーションを取りやすくなりますが、リビングの音が2階に伝わりやすいので睡眠や勉強の妨げになる可能性があります。

階段の作りは全体の間取りが決まってから考える

階段をどのようなタイプや作りにするのかを考える前に、階段の設置場所や全体の間取りを決めましょう。2階に子ども部屋を設置するなら階段に滑り止めをつけたり、落下防止として踊り場のあるタイプの階段にしたりなどを検討する必要があります。間取りを決めたうえで収納できる場所を増やしたい場合は、階段下に収納スペースを設置できるタイプがおすすめです。

子どもや老後の安全性・実用性も考える

おしゃれな住まいにしようと階段のデザイン性にばかり目が行きがちですが、小さなお子さんがいる場合は踏み外しや落下などの危険性も考慮しなければいけません。また、長く住み続けることになるからこそ、老後の使い勝手についてもしっかり考えておく必要があります。